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(3)鉱業
タイにおける鉱業のGDPに占める割合は3%以下で低い。タイの鉱物資源で有名なものは、錫と亜鉛であるが近年、金・銅の探鉱にも力を入れている。カリウムは東南アジアで唯一の鉱床がある。錫は1980年にはアメリカに次いで第二位の輸出高を記録していたが、ここ10年は国際価格の悪化等により当時の1/15に落ち込んでいる。
(4)繊維産業
タイ国の繊維産業は製造業の中で第1位のGDPを誇る基幹産業である。1992年のGDPでは全産業の6.3%、製造業の22.4%を占める。また、輸出総額の14.5%、従業員数では全産業の3.5%、製造業の27.9%(1993年)を占める。
繊維産業の中では特に縫製産業が約半数を占め、縫製産業がタイ国繊維産業をリードしてきたと言える。
(5)電気・電子機器産業
タイの電気・電子機器産業は、1960年代始めにスタートして以来、豊富な労働力、安定した政治情勢を背景に日本を始め欧米、NIESの各企業の投資の促進により急速に発展し、現在ではマレーシアと並び国際的な生産拠点となっている。
日本からの投資状況は投資額において、台湾、アメリカ、香港、シンガポール等の諸外国を圧倒的に引き離している。
(6)観光産業
国際観光による外貨収入は、他の輸出産業を抑えトップを占め、タイの経済に大きく寄与している。1993年にタイを訪れた外国人観光客は576万人であるが、1996年の推定では約700万人に達する見込みである。
地域別で見ると東アジアが全体の56.8%を占め、次いでヨーロッパが25.7%、アメリカ大陸が6.6%、以下南アジア、オセアニア、その他となっている。
国別では地続きのマレーシアがトップで、日本が第2位となっている。

 

 

 

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